使用ガラスについて

ステンドグラスに使う板ガラスは、次の2種類に分けられます。

  • アンティークガラス
  • マシンメイド

基本、日本国内では製造されておらず、その多くは欧米から輸入しています。

それぞれの特徴を説明します。

アンティークガラス

職人が1つ1つ吹いて制作する板ガラスをアンティークガラスと呼びます。

「アンティーク」というと古いガラスとイメージしてしまいますが、「昔ながらの製法で作られている」というだけで現代に作られているガラスです。世界でも3社ほどしか製造していません。

機械で作るガラスは鉄板の上で伸ばされたりするのに対し、吹いて作るアンティークガラスはガラス表面がどこにも触れずに制作されるので、ガラス全面が火の熱で磨かれ、艶やかな質感を生み出します。

アンティークガラス最大の魅力は、心地よい歪みが生み出す、ガラス自体の表情豊かさ。

製造の際に意図的につけられるガラス表面の筋(=ストライエーション)や気泡は、光を乱反射させ、まるでカットされた宝石のような輝きを放ちます。

色数も多く、発色・透明性も極めて高い最高級のガラスで、ヨーロッパの大聖堂に入っているのもほとんどこのアンティークガラスです。

絵付けを施される前提で製造されているため、電気炉で焼成しても変色・失透はほぼ起こりません。

アンティークガラス

 

また下の画像のように1枚のピースで2色の表現をしたい場合は、アンティークガラスのなかでも「被せガラス」と呼ばれる特殊なガラスを使う必要があります。マシンメイドの被せガラスはありません。

被せガラス(フラッシュ)とは

2層~3層構造のガラスのこと。

マスキングをし、露出したガラス表面の一部を削ることで、1枚のガラスで2色以上の表現ができる。

マシンメイドガラス

はじめに

当工房では一部、ビンテージ(年代物)のガラスを使用しているため、ガラス表面に小さな傷・焼けがあることがございます。

ガラス焼けとは

ガラス表面に残された水分と乾燥が繰り返される状況で、ガラスから溶け出す成分と空気中の酸性ガスが化学反応を起こして、ガラス表面が変色・白濁すること。

確認できる傷などは作品写真をアップする際に映すようにしていますが、気になる方は個展などで実物を見てご購入することをお勧めいたします。